2016/05/24

Jac Rijkse “ANATOMIE VOOR KUNSTENAARS” 1917





Jac Rijkse “ANATOMIE VOOR KUNSTENAARS”  242pp+63plates, H.Meulenhoff., Amsterdam, 1917

 ハーグ芸術大学の講師ヤク・レイクセによる『芸術家のための解剖学』。珍しいオランダの美術解剖書である。
 写真製版とリトグラフによる図を使用した解剖書で、骨の図版は写真、筋肉の図版は再構築して描かれている。解剖体を観察しているかのような写実表現を目指していたことは、筋の解剖図の描写から伺える。図版の情報量は19世紀前半の医学の局所解剖図並みである。例えば腹直筋を弓状線のやや下でカットしている点や、大腿部内側の内転筋管(ハンター管)など、美術解剖学で教えている情報よりも踏み込んだ形状が描かれている。
 美術解剖学の歴史も踏まえており、リシェファウからの引用や、ランテリの彫刻が図版に使用されている。巻末ページにはミケランジェロの素描も加えられている。
 本書は後年、B.Th. de Heijとともに改訂増補版が出版された。
(初版、筆者蔵)

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