2015/04/09

Paul Richer "ANATOMIE ARTISTIQUE DESCRIPTION FORMES EXTÉRIEURES DU CORPS HUMAIN" (1890)






Paul Richer "ANATOMIE ARTISTIQUE DESCRIPTION FORMES EXTÉRIEURES DU CORPS HUMAIN"  270pp, PLON, Paris, 1890

リッシェによる大著「美術解剖 人体の外形の解説」。ポール・リッシェ(Paul Marie Louis Pierre Richer, 1849-1933)は彫刻家、版画家、解剖学者。パリのエコール・デ・ボザールで教鞭を執った。近代以降現代までの美術解剖書の多くが本書を手本としている。長辺が35cmを超える大型のアトラスで、テキストと図版の2部パートからなり、1ページづつ紙葉として分かれている。骨学、筋学、体表、運動、プロポーションの順で網羅的に記述されている。図は解剖学的正位が描かれ、立体的な構造と位置関係の把握を補助するために正面、側面、背面の3面図を掲示し、さらに局所と全体が繋がるように計画されている。解剖図としても精確で、隅々まで見ても新しい発見が得られる。この綿密な図は写真を元にして描かれたが、トレースではなく形態の調整がなされている。本書は日本の美術解剖にも大きな影響を与え、今日でも東京藝術大学の美術解剖学の授業に使用されている。
(初版、筆写蔵)

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