2015/06/03

Paul Richer “Nouvelle Anatomie artistique LES ANIMAUX I Le Cheval” (1910)



Paul Richer “Nouvelle Anatomie artistique LES ANIMAUX I Le Cheval” 67pp, LIBRAIRIE PLON, Paris, 1910

フランスの解剖学者Richer(1849-1933)による“Nouvelle Anatomie artistique LES ANIMAUX I Le Cheval(新しい美術解剖 動物1 馬)。「美術のための解剖学」には、人体解剖学の他に動物解剖学がある。動物の解剖学には、人体をより深く理解するための比較解剖学と、動物の形状を製作するための目的があるが、本書は本書は頭蓋を除いて馬の構造に焦点が当てられているため、後者的な意味合いが強い。騎馬像など馬は美術史で最も多く登場する動物の一つで、解剖学的な内容の需要も高い。
 内容はRicherの人体に関する書籍と比べて概説的であるが、関節の内部構造、品種による頸部や胴体の差異、蹄の形状、脚のバリエーションなど形態のポイントが多数示されている。巻末にはEdweard Muybridge(1830-1904)の連続写真を彷彿させる図もある。
 Richerはしばしば写真をトレースして図版や模型を作成した。写真をそのまま用いず、図に置き換えるのは、この時代の文字と写真を同一のページに配置した書籍によく見られる。
(初版、筆者蔵)

other volumes: IIIIIIIVVVIAnimaux

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