2016/05/20

Update: Alfred Fripp / Ralph Thompson “HUMAN ANATOMY FOR ART STUDENTS” 1911





Alfred Fripp / Ralph Thompson “HUMAN ANATOMY FOR ART STUDENTS” Seeley, Service & Co.,London, 1911

英国王のお抱え医師アルフレッド・フリップとガイズ病院の解剖学講師ラルフ・トンプソンによる『美術学生のための人体解剖学』。151カットのイラストは、フリップのいとこで南ロンドン・テクニカル・アート・スクールの人体素描修士イネス・フリップが手がけている。
 図版はオリジナリティーが高いが、写真から体表図を描き起こし、さらに浅層の筋肉をスーパーインポーズで示したトムソン様式である。巻末にも写真が幾つか掲載されている。そして、全身の骨格図は体表のアウトラインが描かれており、マーシャルのものに近い。
 おそらく本書は素描のような美術解剖図の最初期のものである。これ以前は版画技法による印刷が多かったが、写真製版によって素描がダイレクトに印刷できるようになった。美術解剖学は美術教育の基礎の一つである人体素描と寄り添うように発展したため、図版が鉛筆や木炭で描いた素描に移行したのは自然な流れといえる。
(初版、筆者蔵)

リプリント版解説:Reprint ed.

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