2016/05/16

Johan Christian Gustav Lucae “Das Skelet eines Mannes in Statischen und mechanischen Verhältnissen nach graphischen Aufrissen in halber Grösse” 1876



Johan Christian Gustav Lucae “Das Skelet eines Mannes in Statischen und mechanischen Verhältnissen nach graphischen Aufrissen in halber Grösse” 8pp+3plates, Christian Winter, Frankfurt, 1876

ゼンケンベルグ研究所、解剖学教授のヨハン・クリスティアン・グスタフ・ルカエ(1814-1885)による『機械的に示した静止時の男性骨格』。
 本書は、3つ折りの骨格プロポーション図と、その図に関する短い解説が添えられた書籍である。図は前面、側面、後面の3方向から描かれ、広げた図の高さは身長の半分程度である。
 人体のプロポーションは、美術史において古代ギリシャから長年研究され続けたテーマである。プロポーションの概念は17世紀のマルティネスから解剖学と結びつけられ、特に人体の大きさや長さを決定する骨や骨格の構造は、その後の時代によく引用された。本書も美術との親和性が高く、美術家のためと明記されてはいないものの、デューラーやレオナルド、ドイツの美術解剖学者のザイラーを引き合いに出している。
 ルカエのプロポーションは、頭蓋の幅と高さを基準としている。幅は頭蓋幅の2倍が胸郭と骨盤の幅になっている。高さでは脳頭蓋の高さ(頭頂から前鼻棘まで)を基準とし、それを11と1/4倍した長さが身長になっている。他に、頭頂からオトガイまでの高さは1と1/2、頭頂から鎖骨までの高さは2、頭頂から胸郭下口までの高さは4、頭頂から恥骨結合までの高さは5と1/2、頭頂から足首までの高さは11倍となっている。
(初版、筆者蔵)

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