2015/05/25

Walt Reed “THE FIGURE: AN ARTIST’S APPROACH TO DRAWING AND CONSTRUCTION” (1976)


Walt Reed “THE FIGURE: AN ARTIST’S APPROACH TO DRAWING AND CONSTRUCTION” 143pp, Watson-Guptill, New York, 1976

アメリカの美術史家、イラストレーターのWalt Reed (1917-2015)の編集による“THE FIGURE: AN ARTIST’S APPROACH TO DRAWING AND CONSTRUCTION”。人体素描における短時間での構造把握を目的とした本で、短縮法や陰影などの描画法、素描や絵画の有名作の他に解剖学の概説を含む。
 人体の構造把握は大きく四部に分かれ、まず円柱のみで構成された概念的な人体図、デッサン人形のような人体図、骨格を透視した人体図、体表から観察した人体図に分かれる。頭部の基本構造は卵形に単純化され、卵に顔や耳を書き込んで短縮法を解説しているページ(p.78)もある。
 デッサン人形のような人体図では、上肢は肩関節から開始しており、体表観察的な分割である。円柱の図でも人形の図でも屈曲時に関節が描かれておらず、筋の付着や関節の構造などは省略されている。
 解剖図はRicherやVesaliusからの引用、一部の解剖写真についてはThomsonからの引用が見られる。
(初版、東京芸術大学美術解剖学研究室蔵)


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