2015/05/26

Écorché from nature: attributed to Eugène Simonis (1850)


Écorché from nature: attributed to Eugène Simonis(1850)

Louis Eugène Simonis(1810-1882)はベルギーの彫刻家、ブリュッセル王立芸術大学の教授。ベルギーの描画学校で学んだのち、イタリアへ留学して美術表現を学んだ。
 この解剖体から直接型取りされたエコルシェ(筋肉人)はSimonisに属するとされるが、来歴は不明のようである。(*1)Simonisはブリュッセル王立芸術大学において1000にのぼる石膏像のコレクションを蒐集していたとされ、そのうちの一つがこの像であった。
 エコルシェの様式に従い、片方の上肢をあげ、体幹側面と腋窩の筋構造が観察できるようになっている。大胸筋と三角筋の情報量が多く、筋束のレリーフが緻密になっている。腹直筋鞘は右側のみを切開している。重力による下腹部の膨張と、上腕三頭筋のたわみが見られる。頸部と近位の上腕に分割線と、瞼などにレタッチが見られる。像の姿勢は、Houdonによるエコルシェと類似性が見られる。
 現代でもこの像のトルソーは入手可能で、アメリカのGuist Galleryなどで取り扱われている。

*1: “Figures du corps” pp.250-251, Beaux-arts de Paris, 2008

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