2015/05/19

Burne Hogarth “DYNAMIC FIGURE DRAWING” (1970)


Burne Hogarth “DYNAMIC FIGURE DRAWING” 176pp, Watson-Guptill, NewYork, 1970

アメリカの漫画家、イラストレーター、HogarthによるDYNAMICシリーズの“DYNAMIC FIGURE DRAWING”。漫画のためのポーズとその描き方が掲載されており、体表の構造と起伏に関する解剖学的な情報が書かれている。それらは詳細なものではなく、人体の形を大きくつかむためのもので、概念化された胸郭や骨盤の面の方向や、筋の起伏に関する情報に重点を置いている。図は、体表の起伏を覚え、イメージしながら再構成したような図で、Hogarthの形態把握力の高さが伺える。
 解剖学的な情報は、大胸筋や胸鎖乳突筋などの体表に近い筋と、骨では鎖骨、手や足、膝関節などが書かれている。深層の筋や構造に関しては記載がなく、筋走行も描かれてはいるもののボリュームを理解するための補助線といった印象。
 特筆すべき情報としては、150pから157pにかけて記載されている短縮法に関するダイアグラムが独創的である。身体各部位の位置をマークして視点の方向へ延長し、それぞれの位置を手がかりに描いていくことによって、様々な角度から見た人体像を描くことができる。これは観察による直感的な短縮法よりも理論的に形態を把握することになるため、教育法としても参考になる。
(第7版、1977年、東京芸術大学美術解剖学研究室蔵)

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