2015/05/14

Bruno Lucchesi/Margit Malmstrom “MODELING THE FIGURE IN CLAY_A Sculptor's Guide to Anatomy” (1980)


Bruno Lucchesi/Margit Malmstrom “MODELING THE FIGURE IN CLAY_A Sculptor's Guide to Anatomy” 143pp, Watson-Guptill, NewYork, 1980

フィレンツェ大学で助教授(1953-1958)を勤めたアメリカの彫刻家、教育者のBruno Lucchesi(1926-)と、Lucchesiの著作の写真などを手がけたアメリカの写真家Margit Malmstromによる“MODELING THE FIGURE IN CLAY_A Sculptor’s Guide to Anatomy(粘土による人体モデリング 彫刻家のための解剖学の手引き)
 本書は、塑造のプロセスに解剖学的な情報を加えて解説していく手引き書。針金の芯の上に粘土で骨格を作り、その上に筋や脂肪、皮膚を肉付けして女性のミニチュア像を製作していく。最初は男性像を製作しているのかと思うが、脂肪や皮膚をつけた段階で女性であることがわかり、さらにLucchesiのミニチュア像が出てきて完成した女性像を抱きかかえる。これはギリシャ神話のPygmarion”の逸話を引用したのであろう。一連の流れから「内部構造を意識して作ることで彫刻に生命が宿る」というメッセージとストーリーが伝わるが、意外性に富んだ内容で初見は驚かされる。
 解剖学的な構造については、小胸筋や菱形筋など深層の筋は省略されている。
(ペーパーバック版、筆者蔵)

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